Ｔ－ＰＲＯＤＵＣＥ　鈴木建也の挑戦！

　路上演劇祭の開催から1週間がたってしまいました。お世話になった皆さんへのお礼と面白かった様子をお伝えしなければと思いつつ…。まずは、会場の清掃作業。9年間の埃とゴミの撤去にはアースディはままつの30人近いブルーＴシャツ軍団が、大活躍してくれました。本当に助かりました。ありがとうございました。

　オープニングは、司会の下記のメッセージの朗読と写真のＴシャツ（松菱破綻の当時の新聞記事をプリント）に拍手！のっけから、今日は面白い一日になるぞ、の予感をばっちりと印象づけてくれました。


僕はニンジンが嫌いです。
苦いっていうか。
渋いっていうか。
甘いっていう人もいるんだけど。
あの白い雲のようなソフトクリームみたいに甘いとは思えない。
あの何ともいやな味のニンジンが生まれたときから大嫌いです。
　　　（ニンジンの仮面をかぶる。）
　　　（音楽流れる。吉田拓郎「人間なんて」、『ニンゲンなんてララララララララ』　　　
　　　　の『ニンゲン』を『ニンジン』と言う。）
まったくあいつはどこにいてもニンジンなんだ。
カレーやシチューに形がわからないくらい煮込まれていても。
野菜ジュースにほんの少し混ぜ込まれていても。
チャーハンにニンジンのみじん切りは必要ない！！
ニンジンの赤は乱暴に描きなぐった夕焼けのようで。
白い雲のソフトクリームとは違うのです。
ある時、何かが足りないことに気がつきました。
　　　（ニンジンのニとンとの間にホを加えて書かれた紙を出す。）
ニホンジン・・・。
僕は日本人が嫌いなのだろうか。
僕は浜松が嫌いなのだろうか。
僕は、僕が嫌いなのだろうか。
こうして、かつて松菱だった建物をながめてみて、
僕たちは何を思うだろうか。
記憶というものはあいまいなもので。
ただ確かに言えるのは、僕が今ここに立っているように
この建物は、悲しげに、いや、やけに堂々と立っています。
僕が僕のことを思ってみるように、浜松のことを思ってみる。
日本のことを思ってみる。
そして、ニンジンのことを思ってみる。
　　　（ニンジン君を肩に付ける。）
ニンジン君・・・。

見慣れた街の見慣れない「ドキドキ」
路上演劇祭ＪＡＰＡＮ　in 浜松２０１０！ただ今開演！


　お芝居デリバリーまりまりは、昔話を衣装、道具なく体だけで演じるとってもシンプルだけど表現力が求められる芝居を見せてくれました。その中でも、圧巻だったのは「浦島太郎」です。




　助けたカメと海の中の竜宮城にいき、宴をするシーンを、なんと松菱の地下階段をうまく利用して演じました。かつて浜松の竜宮城であった松菱。そこからから帰ってきたら時ははるかに過ぎ、玉手箱を開けたらおじいさんに…。


　でも、松菱は今もかつての繁栄を忘れたかのように立っている。松菱が破綻して9年がたち、わたしたちも9歳年をとってしまった。なんか複雑な気持ち、考えさせられます。が、面白い。演劇ってすごい。この創造性に拍手喝さいです！


　路上演劇祭は無事開催でき、多くの笑顔と拍手、感謝の言葉をいただきました。皆さんのご支援に、改めて感謝いたします。そして、今、思うのは、この場所が常にフェンスがない状態で、新しいにぎわいを生み出す街角のステージとして、音楽や演劇、ダンス等のパフォーマンスができるように整備したいということです。いい手はないだろうか？！